NPO法人とは?わかりやすく説明します!

こんにちは!井上嘉人行政書士事務所の黒木です。
今回は、「NPO法人とは何か?」について、具体的にわかりやすくご説明します。

 

NPO法人とは、「世の中のためになることをしたい!」「人の役に立つ活動をしたい!」という人が、「自分1人で活動するんじゃなくて、同じ気持ちを持った人たちと一緒に活動していきたい!」と思ったときにぴったりの団体です。

 

当事務所の、NPO法人設立・運営支援 福岡都市圏No.1の実績を踏まえて、「NPO法人のことは何も知らないよ」という方から、「NPO法人を作りたいんだけど、具体的にどうしたらいいの?」という方まで、なるほど!と思っていただけるような、実践的・具体的な情報を、6回のコラムに分けてお届けします。

 

ちなみに、今回以降のコラムは、
・第2回:NPO法人の立ち上げ手続きで、特に力を入れるべきポイント
・第3回:NPO法人の「立ち上げ」手続きのすべて
・第4回:NPO法人の「毎年すべき」手続きのすべて
・第5回:NPO法人の「変更がある場合にすべき」手続きのすべて
・第6回:NPO法人の設立費用
を予定しています。こちらも合わせてご確認ください!

 

 

NPOって何の略?

NPOとは、Non-Profit Organization(非営利団体)という英単語の頭文字をとったもので、日本では、「NPO」や「特定非営利活動法人」という名前で呼ばれており、文字通り「営利活動をしない(非営利の)団体」という意味の、人の集まりのことをいいます。

「NPO法人」という言葉が正確ですが、実際には、NPOと略して呼ぶ方が多い印象です。また、NGOというのもありますが、こちらはNon-Governmental Organization(非政府組織)の略です。主に国外で活動するNPOを呼ぶことが多いようです。

 

NPO=ボランティア?違いを分かりやすく解説!

NPOもボランティアも、「世のため人のためになる活動をしたい」という志は同じです。
しかし、「どういう人の集まりか(どのような組織か)」という視点で見ると、全く異なる別物です。
NPOとボランティアの違いは、ずばり、「法人格があるかどうか」です!

 

NPOには「法人格」があります(ボランティアサークルとは違います)

「法人格」とは?

「法人格」というと、急に難しい話のように聞こえるかもしれませんが、ざっくりとしたイメージで言えば、「法人格」とは、「企業のように、『きちんとした1つの団体』として活動できて、行政・世間からも『きちんとした1つの団体』として認識してもらえる権利」のことです。

そして、この「法人格」を持っている団体のことを、「法人」と呼びます。

 

「法人格」を持つには?

「法人格」を持つには、普通の企業のように、以下のような「法律上認められた団体」=「法人」となるための手続きを行う必要があります

  • 法務局に法人としての登記をする
  • 国や市町村などに設立届けを出す
  • 国や市町村に税金を納める※
  • その団体内部の資金繰りを報告書にまとめる(=決算書のようなものを作成する)
  • 作成した報告書を県や市町村に提出したり、公に公表する

※NPOは、「非営利」の法人なので、普通の企業(営利法人)と比べると、納税額が優遇されています。詳しくは、第6回のコラム「NPO法人の設立費用」をご確認ください。


また、これに加えて、NPO法人の場合は、登記の前に、県や市(所轄庁)に設立の認証を受ける必要もあります。

 

ちなみに、「NPOを作る」「法人を設立する」というと、「なにかすごいスキルや経済力がある人だけができる」というイメージがあるかもしれませんが、NPO法人を設立する「人」に関するハードルはとても低いです!(注:反社会的勢力ではない、などの最低限の制限はあります)
当事務所はNPOの立ち上げにも多く携わっているので、興味のある方は安心してご相談ください!

 

「法人格」を持つと何が良いの?

良いこと①:「法人」になれるので、団体名義で契約をしたり物の購入ができる!

法人格を持つと、「法律上認められた団体」=「法人」になることができます。
法律用語を使うと、「権利義務や取引の主体となることができる」ということなのですが、具体的には、「団体名義で」事務所を借りることができたり、銀行口座を作ることができたり、物を購入できたりします。

 

これに対し、いわゆる「地域のボランティア団体」や、「大学生の社会貢献サークル」、「社会人の地域貢献コミュニティ」などは、国や市町村のような「お役所」に届出をせずに、自由に仲間を集めて作れるものばかりですよね。

このような団体は、「世のため人のために何かしたい人」が「複数人集まってできた団体」という意味ではNPOと同じですが、「法人格」を持っていないので団体名義での契約ができず、団体の代表者の方の「個人名義で」契約をすることになります。

ボランティアの良いところは、作るまでの面倒な手間がなく、身軽な点ですが、このような「法人格」を持っていない団体では、代表者が変わるたびに、書類や契約書の名義を新しい代表者の名前に変更する手間が発生します。スムーズな代替わりならそれほど大きな問題にはなりませんが、団体内でトラブルが一度起きてしまうと、変更したくても簡単に変更できないリスクをはらんでいるのです。

NPOでも代表者争いなどがないわけではありませんが、一般企業と同じように、法律を基礎として組織を作っているので、何かあった時も法律で解決しやすいです。

 

良いこと②:「法人」になったことで「社会的な信頼」が得られるから、「規模の大きい活動」ができる!

次に、「活動の規模感」という観点から、ボランティアとNPOの違いをお伝えします。

 

先ほどお伝えしたように、NPOという「法人」として活動をするには、様々な届け出や手続きをして、国や市町村からチェックを受けなければなりません。

 

この届け出や手続きは、「個人の活動」としてボランティアをするだけなら全く必要のないもので、正直言って面倒くさいです。

 

そんな、「面倒くさい届け出や手続きをちゃんとして、国や市町村からチェックを受けている」という側面から、NPOは、個人のボランティアや有志のボランティア団体よりも「しっかりした団体」として世間から認識してもらえ、社会的な信頼度を得ることができます。

 

その結果として、国や市町村に協力を仰ぎながら、個々人のボランティアよりも規模の大きい活動を企画できるようになるのです。

 

例えば、福岡県には博多湾という湾がありますが、ここに、「博多湾の海辺に松を植えることで、博多湾をもっと緑豊かな場所にして、自分の住むまちを良くしたい!」と思った人がいるとします。

 

この思いを叶えるには、具体的に何をしたらいいでしょうか。

 

勝手に海辺に松を植えるのはよくないので、まずは、博多湾の海辺を管理している行政機関(福岡県や福岡市など)に問い合わせをして、松を植えていいか相談しないといけません。他にも、松の購入費の準備や、松を植えるための場所を整地する際の有志のボランティアを集める必要もあります。

 

これを1人の人がボランティアでしようとすると、かなり難航しそうですよね。
その点、NPOという「きちんとした団体」というイメージ(社会的な信頼)があると、スムーズに進むことがたくさんあります

 

このような理由から、「たくさんの人に賛同してもらって、大きな規模の活動をしたい!」という人には、NPOの設立はとてもおすすめです。

 

実は、この「博多湾に松を植える」という例は、実際に福岡で活動している「はかた夢松原の会」というNPO法人のエピソードをもとにしています。
当事務所は、最初の設立手続きからお手伝いをしているため、今でも「NPOの活動に関する事務的なこと・法律的なこと」を丸ごと引き受けて、サポートしています。
また、NPOとしての活動(博多湾への松の苗植えなど)も活発に行っているので、ボランティアや寄附等に興味のある方は、ぜひ一度ご参加ください!

 

良いこと③:「法人」になったことで、寄附以外の方法で活動費用を稼ぐことができる!

先ほどお伝えしたように、NPO法人を設立すると、個人のボランティアよりも大きな規模の活動ができるようになります。

 

それに伴い、より多くの活動資金が必要になることが多いです。

 

一般的に、ボランティアの活動資金は、

  • 「世のため人のためになる活動」をする人たちの自費
  • 「世のため人のためになる活動」に共感してくれる人からの寄附

の2つが主になりますが、

 

NPOの場合は、法人になったことで、

  • 「世のため人のためになる活動」をする人たちの自費
  • 「世のため人のためになる活動」に共感してくれる人からの寄附
  • NPOとして「事業(ビジネス)」をして稼いだ利益

を活動するための資金集めの方法としてとることができます。

 

普通の企業(営利法人)が「事業(ビジネス)」をして稼いだ利益を出資者で山分けできるのに対し、NPOは、「特定非営利活動法人」という名前のとおり、「非営利」の法人なので、稼いだ利益を社員(構成員=会員)で山分けすることはできません。
しかし、「事業(ビジネス)」をして稼いだ利益を「世のため人のためになる活動」に使うのは全く問題ないんです!

 

そのため、実際に当事務所で設立や運営のお手伝いをさせていただいている多くのNPO法人が、「世のため人のためになる活動」以外に「事業」を行って、「世のため人のためになる活動」の活動資金に回しています。

 

そうすることで、ボランティアでは実現が難しい、活動資金の安定化・増収化が狙えるようになります。

 

このような理由から、「活動資金が集まらなくて、ボランティア活動がしにくい!」という人にも、NPOの設立はとてもおすすめです。

 

まとめ

以上の内容をまとめると、NPOもボランティアも、「世のため人のためになる活動をしたい」という志は同じですが、NPOという「法人」を設立することで、

  1. 団体名義で契約や法的な書類が作れるようになる
  2. より大きな規模の活動が企画できるようになる
  3. 事業収益を活動費用に充てられるので、活動費用を安定して確保しやすくなる

というメリットがあるよ、というお話でした。

 

当事務所は開業して20年、NPO法人設立・運営支援 福岡都市圏No.1の実績があります。

少しでも興味を持った方は、ぜひ遠慮なくご相談ください。

とってもフランクで優しい井上先生と、あったかいスタッフみんなでお待ちしています☺